基礎知識

遺伝型・ハプロタイプについて

(注:SNP解析では『遺伝子』 → 『SNP』と置き換えて解釈してください)

座位 (locus)相同染色体上の遺伝子がある場所のこと。種において安定な単位。
アレル (allele)相同染色体上の対になっている遺伝子同士。
ハプロタイプ (haplotype)アレルの組合せ。
ディプロタイプ (diplotype)ハプロタイプの組合せ。
遺伝型 (genotype)ある座位のアレルの組合せ。個体において安定な単位。

SNPについて

SNP:Single Nucleotide Polymorphismの略。

簡単に言うと、「個体間においてゲノムDNA上の1塩基が異なる現象」です。

SNPは300bp~1000bpに1個の割合で出現し、よく使われるDNAマーカーの中でも、最もゲノム上に広く分布しています。 そのため多様な遺伝バリエーションが構築され、各個体差の原因とも言われています。

起こりうる核酸変異のうち2/3はプリンまたはピリミジン塩基同士の変異(ex.シトシン→チミン)であり、残りの1/3はプリンピリミジン塩基間の変異です。

近年のSNP解析において重要とされているのはcSNPとrSNPです。SNP自身が表現型の形成に寄与している場合と、SNPが原因変異の近傍に位置 しており、原因変異を検出するためのマーカーとして用いられる場合があります。ヒトのような二倍体生物の場合、SNPはそのほとんどが 2対立遺伝子座位(biallelic)です。

分類

cSNP(coding SNP)
:タンパク質をコードする遺伝子領域エキソン内でのアミノ酸変異を起こす1塩基変異。※
rSNP(regulatory SNP)
:プロモーターなどのタンパク発現に関わる遺伝子領域内での1塩基変異。
uSNP(untranslated SNP)
:遺伝子内、非翻訳領域での1塩基変異。
iSNP(intronic SNP)
:遺伝子内、イントロン領域での1塩基変異。
sSNP(silent SNP)
:アミノ酸変化を起こさない1塩基変異。(実際にはsSNPはほとんど使われません)
gSNP(genome SNP)
:上記以外の領域での1塩基変異。

※ コード領域内にあるSNP全てが変異を起こすわけではありません。エキソン内にあってもsSNPである可能性もあります。

SNPsの種類