SNP疾患関連解析ソフト SNPAlyze®

SNPAlyze(スニップアライズ) - 株式会社ダイナコム

ジェノタイピング技術の進歩により大量のデータが得られるようになり、それらの膨大なデータと臨床情報との関連解析を行えるソフトウェアが必要となっています。

SNPAlyzeは、SNPおよびマイクロサテライトのジェノタイピングデータに統計処理を施し、遺伝子性疾患のマーカとなるSNPの検出、および疾患感受性遺伝子や薬剤感受性遺伝子を同定することを目的として開発しました。

Ver.9では新たにゲノムワイド関連解析の機能を追加しました。NGSデータのインポートが可能となり、主成分分析、マンハッタンプロットを利用することで、次世代シーケンサーのデータにも対応したSNP解析が可能となりました。

製品概要

データインポートから解析用データ作成、各種解析をサポート!!

SNPAlyzeは、SNPとマイクロサテライトのジェノタイピングデータから有用な情報を抽出するデータマイニングソフトです。ケースコントロール研究、連鎖不平衡解析、ハプロタイプ推定といった一連の解析を行うことが可能です。

また、Akaike’s information criterion(AIC)※ を用いることで、有意性の判断に曖昧さを無くし、より厳密な解析を可能としました。

データ解析のフローチャート

解析の具体的な流れは、以下のようになっています。

SNP Alyze データ解析フローチャート

Akaike’s information criterion (AIC)
観測データがモデルにどの程度一致するかを表す基準。モデルに含まれるパラメータ数が多くなればなるほど残差平方和は小さくなるが、単に残差平方和の大小を比較するだけでなくそのパラメータ数も考慮に入れる。AIC値が最小となるモデルを最もよいと判断する。

AIC = -2 x(モデルの最大対数尤度)+ 2 x(モデルの自由パラメータ数)

AICの絶対値(今回の場合は従属モデル、独立モデル間の差の絶対値)が大きいほど、判定の信頼度は高い。分割表の自由度によって異なるが、AICの絶対値が0に近いときカイ二乗検定における有意水準5%での判定に相当すると考えられる。

参考資料:Sakamoto Y. and Akaike H.(1978) Analysis of Cross Classified Data by AIC, Ann. Inst. Statist. Math., 30-1, pp.185-197.

主な特長

Excelと同様の操作性

SNPAlyzeのデータシートではExcelと同様の感覚でデータを編集できます。また、Excel等から直接データをコピーアンドペーストすることも可能です。編集したデータはタブ区切りテキストファイルとして保存可能です。

データのインポートが簡単

画面に従って操作することで簡単にタブ区切りテキストファイル(txt形式)、カンマ区切りテキストファイル(csv形式)、Excelファイル(xls/xlsx形式)およびSNPAlyze Dataファイル(slyz形式)をインポートできます。また、Biotage社 PSQ96やABI社 PRISM7900のエキスポートファイルもインポート可能です。

世界最高速のハプロタイプ推定 ※1

SNPAlyzeのハプロタイプ推定機能は世界最高速です。
同ハプロタイプ推定機能をArlequinと比較したところ、約1000倍高速という結果が得られています。※2

複数の座位のハプロタイプ推定

Ver.3.1以前では一度に推定可能な座位が30に制限されていましたが、これを40座位まで推定可能にしました。(ただし、Standard版は、30座位、Pro版は、40座位となります。)

検体数にも依存しますが、40座位のハプロタイプを数秒で推定可能です。

カイ二乗値、P値のほかにAICに対応

SNPAlyzeではカイ二乗値、P値の算出に加えてAICを算出することが可能です。カイ二乗検定では有意水準の設定が恣意的であり判定基準が「曖昧」だと考えられます。

AICはカイ二乗検定のように有意性の判断に曖昧さが無く、より厳密に解析を行うことが可能です。SNPAlyzeでは次の解析にAICを用いています。

連鎖不平衡のグラフィカルな表示

複数のSNPs間の連鎖不平衡を一目で参照可能です。強い連鎖不平衡が存在する領域を容易に特定できます。SNPAlyzeでは以下の3つの形式を利用可能です。

従来の連鎖不平衡値(D、D’、r2)のほかにAIC(LD)も対応

連鎖不平衡の尺度としてはD、D’、r2などが知られています。SNPAlyzeでは既存の尺度に加えてAICを用いて連鎖不平衡を評価することが可能です。※3

ある2つのSNPs座位が連鎖不平衡にあると考えるモデル(AIC(IM))と連鎖平衡にあると考えるモデル(AIC(DM))を想定し、その差を用いて連鎖不平衡を評価します。

(AIC(LD)= AIC(IM)- IC(DM))

ディプロタイプ形の分布推定

EMアルゴリズムを利用してディプロタイプ形の分布を推定することが可能です。各ディプロタイプ形を構成するハプロタイプの組み合わせおよびデータ中で同ディプロタイプ形を取る検体数を表示します。

Permutation testの利用

複数の集団(ケース群、コントロール群等)から求められる各ハプロタイプ頻度の差の検定を行います。検定において、極端に小さなハプロタイプの頻度を含む場合、カイ二乗検定などでは大きな誤差を生じてしまいます。

Permutation法では乱数を使用しながら近似的に正確確率を求めるため、広いデータ範囲で適切なP値を求めることができる手法として注目されています。※4

大量のデータを処理可能

Pro版のみ最大で10,000検体の解析が可能です。Standard版では対応できない大量のデータも解析可能です。(解析可能なデータ数はメモリに依存します。)

マイクロサテライトへの対応

マイクロサテライトはSNPと比較するとゲノム上の出現頻度は低いものの、多型性に富み、得られる情報量は多いです。SNPとマイクロサテライトを組み合わせることにより効率よく解析を行うことが可能になります。

tagSNP同定機能

ハプロタイプ推定時にtagSNP(htSNP)の同定が可能になりました。ハプロタイプブロックを代表する多型マーカであるtagSNPを用いることにより、より効率的なジェノタイピングを行うことが可能です。

複数の座位のハプロタイプを推定した場合など、tagSNPの組み合わせが複数存在する場合は、全ての組み合わせを出力します。

複数のデータシートを読み込み可能

Ver.5.0では、複数のデータシートを同時に読み込むことが可能となりました。異なるデータシート間での解析結果の比較や、解析結果の履歴をダイレクトに参照することが可能です。

ハプロタイプブロック解析

一般的に用いられるGabriel ※5 の方法、Four Gamete法 ※6 を用いてハプロタイプブロックを構築します。構築されたブロックを選択することにより、そのままハプロタイプを用いたケースコンロール研究を実行することが可能です。

多型マーカーの絞り込み機能

ハーディーワインベルグ平衡(HWE)、マイナーアレル頻度、多型マーカタイプに応じて、解析の対象となる多型マーカを自動的に選択する機能を搭載しています。

HealthSketchとの連携 ※7

HealthSketch(ヘルスケッチ)は、臨床および生活習慣データを統合し、統計処理や疾患予測モデルの構築支援を行うソフトウェアです。HealthSketchとの連携により以下が可能になります。

データと結果をまとめて管理

SNPAlyze Dataファイル形式を利用すると、ジェノタイピングデータと同データの解析結果を一括して保存したり、読み込んだりできるのでデータや結果を個別に管理する煩わしさから解放されます。

同ファイル形式で保存したファイルを開いて解析を再開したり、他のSNPAlyzeユーザに配布してデータや結果を共有したりできます。

FDR法の利用

FDR法を利用した多重検定の補正が可能になりました。

FDR法は有意と判断された仮説のうち、本来帰無仮説に属するものの割合をコントロールする方法です。ケースコントロール研究の結果得られる複数のp-valueから多重検定における有意性指標であるq-valueを計算します。(帰無仮説の個数比を推定する方法としてBHまたはBootstrap法のどちらかを選択可)

コクラン・アーミテージ・トレンド検定

単一のSNPについてコクラン・アーミテージ・トレンド検定(トレンド検定)を実行します。

ケースコントロール研究と同様、疾患の有無によって患者群と対照群を設定し、遺伝子データとの関連性について検討を行います。 ケースコントロール研究では遺伝形式(Recessive, Dominant, Genotype)に着目し、各遺伝型と疾患の有無について検討しました。トレンド検定では任意のアレルに着目し、群間で同アレル数(=各遺伝型に相当)の比に線形傾向がみられるか検討を行います。

VCFファイルのインポート

VCFファイルのインポートVCFファイルを入力ファイルとして扱えるようになりました(VCFバージョン4.1、4.2に対応)。インポート可能な検体数はStandard版、Pro版で異なります。詳細については製品グレードをご覧ください。

効果量

効果量は、効果の大きさを表す統計的な指標を示し、2群間の差の程度を表す効果量や変数間の関係の大きさを表す効果量があります。この絶対値が大きくなればなるほど効果は大きいことを表します。例えば、変数間の関係の大きさを表す効果量としてphi(Φ)やCramer’s V(V)があります。

2変数間の関係の強さを調べるためにはカイ二乗検定を利用します。SNPAlyzeでは、Genotypeモデル・Alleleモデル・Recessiveモデル・Dominantモデルごとに分割表を作成し、効果量を算出しています。効果量はカイ二乗値(χ^2)とケース群とコントロール群の総数(N)、分割表の少ない方の行または列の数(k)を用いて次式で表すことができます。

effect_size_equation3

※1 2004年9月現在(自社調べ)

※2 SNPデータに限定

※3 Shimo-Onoda K, Tanaka T, Furushima K, Nakajima T, Toh S, Harata S, Yone K, Komiya S, Adachi H, Nakamura E, Fujimiya H, Inoue I. Akaike’s information criterion for a measure of linkage disequilibrium. J Hum Genet 2002; 47(12): 649-55.

※4 Fallin D, Cohen A, Essioux L, Chumakov I, Blumenfeld M, Cohen D, Schork NJ. Genetic analysis of case/ control data using estimated haplotype frequencies: application to APOE locus variation and alzheimer’s disease. Genome Res. 2001 Jan; 11: 143-151.

Good, P. Permutation Tests. A Practical Guide to Resampling Methods for Test-ing Hypothesis. Second Edition. New York: Springer-Verlag, 2000.

※5 Stacey B. Gabriel, Stephen F. Schaffner, Huy Nguyen, Jamie M. Moore, Jessica Roy, Brendan Blumenstiel, John Higgins, Matthew DeFelice, Amy Lochner, Maura Faggart, Shau Neen Liu-Cordero, Charles Rotimi, Adebowale Adeyemo, Richard Cooper, Ryk Ward, Eric S, Lander, Mark J. Daly, David Altshuler, The Structure of Haplotype Blocks in the Human Genome. Science. 2002 Jun 21;296(5576):2225-9.

※6 Ning Wang, Joshua M. Akey, Kun Zhang, Ranajit Chakraborty, and Li Jin. Distribution of Recombination Crossovers and the Origin of Haplotype Blocks: Interplay of Population History, Recombination, and Mutation Am J Hum Genet. 2002 Nov ;71 (5):1227-34.

※7 連携機能をご利用いただくにはSNPAlyze Ver.5.0.2 以降、HealthSketch Ver.1.1 以降が必要です。

※8 ロジスティック回帰分析の機能をご利用いただくにはSNPAlyze Ver.7.0以降、HealthSketch Ver.2.5 以降が必要です。

機能説明

ジェノタイピングデータのインポート

SNPデータが保存されている次のフォーマットのファイルを読み込んで解析できます。

対応ファイル

  • Excelファイル(xls/xlsx形式)(Excelがインストールされている必要があります)
  • タブ区切りテキストファイル
  • カンマ区切りテキストファイル(csv形式)
  • SNPAlyze Data ファイル(slyz形式)
  • Biotage社 PSQ96エキスポートファイル
  • ABI社 PRISM7900エキスポートファイル

ケースコントロール研究を行う場合にはジェノタイピングデータが入力されている列に加えて、疾患、対照といった集団を区別するための情報が入力されている列が必要です。連鎖不平衡解析、および相の場合は集団を区別するための情報の入力は必要ありません。ただし集団を区別する情報を入力することで集団毎にそれらの解析を行うことが可能になります。

ジェノタイピングデータのインポート
複数シートの読み込み

多型マーカの絞り込み機能

ハーディーワインベルグ平衡(HWE)、マイナーアレル頻度、多型マーカタイプに応じて、解析の対象となる多型マーカを自動的に選択する機能を搭載しました。

複数シートの読み込み

解析に用いる多型マーカに対して上記の3通りの方法でフィルターをかけることが可能です。また、フィルターをかける対象を登録した集団(Subject)にすることも可能です。例えば、症例集団は遺伝的に偏りがあってHWEを満たさないが、対照集団はHWEを満たさなくてはならない場合に、対照集団にのみ、HWEでフィルターをかけることができます。

ケースコントロール研究

カイ二乗検定およびAICを用いて個々のSNPと疾患との関連を評価します。特にAICはカイ二乗検定のように有意性の判断に曖昧さが無く、より厳密な評価が可能です。またオッズ比の算出も可能です。

ジェノタイピングデータの集計方法の設定

タイピングによって得られた多型情報をユーザーが評価しやすい形に集計して解析を行うことが可能です。

集計方法は「Automatically」、「User customize」の2通りがあり、Automaticallyの場合は、(1)Genotype、(2)Allele(Multiplicative model)、(3)Dominant、(4)Recessive の4通りの集計方法で分割表を定義し統計値を算出します。User customizeの場合にはSubject 、多型マーカデータからそれぞれ必要なものを選択して分割表を作成します。

カイ二乗検定の利用

「ジェノタイピングデータの集計方法の設定」で作成された分割表に対してカイ二乗検定、Fisherの正確確率検定を行います。また2×2分割表の場合にはオッズ比も出力します。

AICの利用

「ジェノタイピングデータの集計方法の設定」で作成された分割表に対して独立モデル(AIC(IM))従属モデル(AIC(DM))を想定し、両モデルのAIC値から分割表の独立、従属の判定を行います。
AICはその値が最小となるモデルが最も良いと判断されますので

AIC(IM) > AIC(DM) ⇒ SNPと疾患とは従属と判定
AIC(IM) < AIC(DM) ⇒ SNPと疾患とは独立と判定

となります。

FDR法の利用

FDR法を利用した多重検定の補正が可能です。

FDR法の利用

FDR法は有意と判断された仮説のうち、本来帰無仮説に属するものの割合をコントロールする方法です。ケースコントロール研究の結果得られる複数のp-valueから多重検定における有意性指標であるq-valueを計算します。(帰無仮説の個数比を推定する方法としてBHまたはBootstrap法のどちらかを選択可)

詳細結果の出力

解析条件、解析結果の詳細な情報をテキストファイル形式で出力します。

詳細結果の出力

連鎖不平衡解析

任意の2座位のハプロタイプ頻度とアレル頻度との”ずれ”から連鎖不平衡係数を計算します。出力可能な連鎖不平衡係数はD、D’、D'(絶対値)、r2 です。以上に加えてカイ二乗値、AIC値の出力が可能です。連鎖不平衡をグラフィカルに表示することも可能です。

ハプロタイプ頻度および連鎖不平衡係数、統計値の表示

ハプロタイプ頻度および連鎖不平衡係数、統計値の表示

連鎖不平衡のグラフィカルな表示

複数のSNPs間の連鎖不平衡係数、統計値を一目で参照可能です。強い連鎖不平衡が存在する領域を容易に特定できます。SNPAlyzeでは以下の3つの形式を利用可能です。

  • 異なる2集団の解析結果の比較表示 ・・・図1
  • 異なる2つの連鎖不平衡係数、統計値を用いた解析結果の比較表示 ・・・図2
  • 異なる2集団の解析結果を重ね合わせて表示(BMP形式のみ) ・・・図3
異なる2集団の解析結果を重ね合わせて表示(BMP形式のみ)
異なる2集団の解析結果を重ね合わせて表示(BMP形式のみ)

異なる2つの集団間および、連鎖不平衡係数間での解析結果を比較表示する場合は、グリッド形式も利用可能です。各セルには連鎖不平衡係数または統計値が表示され、設定した閾値に応じてセルの色分けが可能です。

連鎖不平衡マップ(LDMap)

ハプロタイプ推定

ハプロタイプ頻度の推定、tagSNPの同定

集団内のハプロタイプ候補とその頻度を算出します。またEMアルゴリズムによって最尤と判断された各検体のディプロタイプ形も出力可能です。

ハプロタイプ頻度の推定、tagSNPの同定

ディプロタイプ形の分布の推定

EMアルゴリズムを利用してハプロタイプ頻度を推定する過程で計算されるハプロタイプの組み合わせ(ディプロタイプ形)の分布を表示します。

ディプロタイプ形の分布の推定

ハプロタイプ推定の詳細結果の出力

tagSNPの組み合わせが複数考えられる場合、それらすべての組み合わせを出力します。同ウィンドウにはハプロタイプ推定のパラメータの設定やハプロタイプ頻度および各検体のディプロタイプ形も出力されます。

ハプロタイプ推定の詳細結果の出力

ハーディ・ワインベルグ平衡の検定

あるSNPサイトについて実際に観測されたアレル数とハーディ・ワインベルグ平衡にあると仮定した場合のアレル数とのずれをカイ二乗検定により評価します。また、カイ二乗検定が適さない場合を考慮して、Exact test及び、Exact test(Monte Carlo法)の2通りの検定方法を追加しました。

ハーディ・ワインベルグ平衡の検定

詳細結果の出力

解析条件、解析結果の詳細な情報をテキストファイル形式で出力します。

詳細結果の出力

FDR法の利用

FDR法を利用した多重検定の補正が可能です。

FDR法は有意と判断された仮説のうち、本来帰無仮説に属するものの割合をコントロールする方法です。ケースコントロール研究の結果得られる複数のp-valueから多重検定における有意性指標であるq-valueを計算します。(帰無仮説の個数比を推定する方法としてBHまたはBootstrap法のどちらかを選択可)

コクラン・アーミテージ・トレンド検定(トレンド検定)

トレンド検定

ケースコントロール研究と同様、疾患の有無によって患者群と対照群を設定し、遺伝子データとの関連性について検討を行います。

ケースコントロール研究では遺伝形式(Recessive, Dominant, Genotype)に着目し、各遺伝型と疾患の有無について検討しました。トレンド検定では任意のアレルに着目し、群間で同アレル数(=各遺伝型に相当)の比に線形傾向がみられるか検討を行います。

分割表の定義

疾患の有無と各遺伝型について集計した2×3分割表を利用します。

トレンド検定結果

検定の結果、[Statistics]および[Detail information]の2つのウィンドウが作成されます。

トレンド検定画面出力例

FDR法の利用

FDR法を利用した多重検定の補正が可能です。

FDR法は有意と判断された仮説のうち、本来帰無仮説に属するものの割合をコントロールする方法です。ケースコントロール研究の結果得られる複数のp-valueから多重検定における有意性指標であるq-valueを計算します。(帰無仮説の個数比を推定する方法としてBHまたはBootstrap法のどちらかを選択可)

Bootstrap法の利用

データのリサンプリングよって推定量の偏りや信頼区間を出力し、各種統計値の信頼性を評価します。

ハプロタイプを用いたケースコントロール研究

複数の集団について任意の座位から推定されるハプロタイプ頻度の差の検定を行います。検定結果の有意性は、Permutation testを用いて評価します。

ハプロタイプを用いたケースコントロール研究について

Permutation testより得られる統計値の度数分布および度数分布のグラフを出力します。

統計値の度数分布および度数分布のグラフ

ハプロタイプブロック解析

Gabrielの方法 ※1 、Four Gamete法 ※2 を用いて遺伝的に強く連鎖している部分(組み換えが起こっていないと判断された部分)をハプロタイプブロックとして同定します。

ハプロタイプブロック解析

図のように、各ブロックについて、(1)ハプロタイプ候補とその頻度、(2)tagSNP、(3)ハプロタイプ同士の出現頻度、(4)ブロック間の連鎖不平衡係数(D’値)、(5)カイ二乗検定の結果 を出力します。

ハプロタイプブロック解析結果表示

さらに構築されたブロックを視覚的に表示することも可能です。

ハプロタイプブロック-LD Map

※1 Stacey B. Gabriel, Stephen F. Schaffner, Huy Nguyen, Jamie M. Moore, Jessica Roy, Brendan Blumenstiel, John Higgins, Matthew DeFelice, Amy Lochner, Maura Faggart, Shau Neen Liu-Cordero, Charles Rotimi, Adebowale Adeyemo, Richard Cooper, Ryk Ward, Eric S, Lander, Mark J. Daly, David Altshuler,
The Structure of Haplotype Blocks in the Human Genome. Science. 2002 Jun 21;296(5576):2225-9.

※2 Ning Wang, Joshua M. Akey, Kun Zhang, Ranajit Chakraborty, and Li Jin. Distribution of Recombination Crossovers and the Origin of Haplotype Blocks: Interplay of Population History, Recombination, and Mutation Am J Hum Genet. 2002 Nov ;71 (5):1227-34.

HealthSketchとの連携

HealthSketch(ヘルスケッチ)は、臨床および生活習慣データを統合し、統計処理や疾患予測モデルの構築支援を行うソフトウェアです。HealthSketchとの連携により以下が可能になります。

※HealthSketchとの連携機能をご利用いただくには、別途HealthSketchをご購入いただく必要があります。

ファイルを介したデータの受け渡し

  • 多型情報と臨床情報を組み合わせた解析
    SNPAlyzeのハプロタイプ推定より得られる「最尤と判断された各検体のディプロタイプ形」を HealthSketchに渡します。HealthSketchでは同ディプロタイプ形の情報を用いたロジスティッ ク回帰分析(オッズ比などの推定)などが可能です。
  • 臨床情報を利用したクラスタリングによる分類結果の利用
    HealthSketchのクラスタリング解析を利用することで、臨床情報を考慮したデータの分類が可能になります。同じような臨床情報を持つデータを集められるため、より効率のよい多型解析が可能になります。
HealthSketchとの連携

※ファイルを介したデータの受け渡し機能をご利用いただくにはSNPAlyze Ver.5.0.2以降、HealthSketch Ver.1.1以降が必要です。

ロジスティック回帰分析

単一のSNPについてロジスティック回帰分析を実行します。Genotypeモデル, Dominantモデル, Recessiveモデルを考慮したオッズ比、オッズ比の95%信頼区間および検定統計量を出力します。

ロジスティック回帰分析

※ロジスティック回帰分析の機能をご利用いただくにはSNPAlyze Ver.7.0以降、HealthSketch Ver.2.5以降が必要です。

データと結果の一括保存&読み込み機能 ~ SNPAlyze Dataファイルの利用

SNPAlyze Dataファイルは、ジェノタイピングデータと解析結果が一括保存されたファイルです。同ファイル形式で保存されたファイルを読み込むとジェノタイピングデータと同データに対して行った解析結果が表示されます。そのまま続きの解析を実行したり、同ファイルを他のSNPAlyzeユーザに配布して結果を共有したりできます。

データと結果の一括保存&読み込み機能 ~ SNPAlyze Dataファイルの利用

※SNPAlyze Dataファイルにはジェノタイピングデータが含まれます。配布には十分ご注意ください。

主成分分析

主成分分析結果のEigenvalueをもとに第一主成分を横軸、第二主成分を縦軸として散布図で表示します。異端な検体の確認が可能です。

マンハッタンプロット

NGSデータを対象としたケースコントロール研究のp値をマンハッタンプロットで出力します。下部のシートにはマンハッタンプロット上で選択したSNPの統計値を表示します。Genotypeモデル、Alleleモデル、Recessiveモデル、Dominantモデルについてp値、カイ二乗値、自由度、効果量を算出します。

必要システム

項目詳細
Standard版Pro版
対応OSWindows 8.1/10
メモリ4GB以上
ハードディスク10GB以上 ※1
その他CD-ROMドライブ(本ソフトウェアインストールのため)
USB Type-A ポート x 1 ※2

※1 解析するデータに応じた空き容量がCドライブに必要です。
※2 本製品ではプロテクトキーによるユーザー管理を行うため、ソフトウェア実行時にプロテクトキーを接続するUSBポート1個が必要となります。

製品グレード

 主な機能機能比較
Standard版Pro版
NGS Data
Analysis
インポート可能な検体数(VCFファイル)1,000検体5,000検体
NGSデータを用いた主成分分析50検体3,000検体
NGSデータを用いたケースコントロール研究50検体3,000検体
SNP
and
Haplotype
Analysis
インポート可能な検体数1,000検体10,000検体
ハーディ・ワインベルグ平衡の検定2,560座位
ケースコントロール研究
コクラン・アーミテージ・トレンド検定
単一SNPのロジスティック回帰分析 ※1
連鎖不平衡解析1,000座位
ハプロタイプ推定 ※230座位40座位
ハプロタイプブロック解析1,000座位
ハプロタイプを用いたケースコントロール研究10座位
Bootstrap法の利用 ※3可能
タグSNPの同定可能
マイクロサテライトへの対応 ※4可能
データと結果の一括保存&読み込み機能可能

表に記載されている検体および座位は、解析できる最大数を表します。

※1 ロジスティック回帰分析をご利用いただくにはHealthSketch Ver.2.5 以降が必要です。
※2 本製品では、すべてのハプロタイプ候補を対象にEMアルゴリズムを適用しております。Standard版では最大30座位、Pro版では最大40座位のハプロタイプ推定が可能です。
※3 Bootstrap法はケースコントロール研究、連鎖不平衡解析、ハプロタイプ推定、ハーディ・ワインベルグ平衡の検定およびコクラン・アーミテージ・トレンド検定に用いることができます。
※4 ハプロタイプブロック解析についてはマイクロサテライトへの対応は行っていません。

価格

SNPAlyze Ver.9本体価格

種類・グレードアカデミック価格(税込)通常価格(税込)
新規購入価格
(1User)
Standard版 440,000円 770,000円
Pro版 1,100,000円 1,925,000円
バージョンアップ価格
(1User)
Standard版 旧バージョン
Standard版 Ver.9
264,000円 462,000円
Pro版 旧バージョン
Pro版 Ver.9
660,000円 1,155,000円
グレード変更価格
(1User)
Standard版
Pro版
924,000円 1,617,000円

※ バージョンアップ価格は、旧バージョンのユーザ様にのみ適用されます。
※ 第三者の所有するデータに対して本製品を適用する場合には別途「スニップアライズ受託データ解析に関するライセンス」が必要となります。詳細はお問い合わせ下さい。
※ Standard版とPro版の機能の違いについては、こちらをご参照ください。
製品グレード
※ 3User以上まとめてご購入されるとさらにお得です。詳細は別途お問い合わせください。

購入方法

本製品は、直販もしくは代理店経由でご購入いただけます。ご都合の良いほうをお選び下さい。

  • 直販
    弊社から直接ご購入される場合、お手続きはご購入されるお客様または所属施設の購買部などで行っていただきます。まずはお見積書をお送りしますので、下記お問い合わせ先に、購入を希望される製品をお知らせください。
  • 代理店経由
    試薬や実験機器等を販売している代理店を通してご購入される場合、ご希望の代理店に本製品の購入を検討していることをお伝えいただくか、下記お問い合わせ先に代理店の連絡先(社名、所在地、担当者名、連絡先)をお知らせください。

お試し版

文献・論文リスト一覧

SNP解析に関する技術資料

アップデート

サポート

製品購入後のサポートについて

本製品にはご購入から1年間の無償サポートが付属しております。ご質問等ございましたら、内容を明記の上、下記までご連絡ください。2年目以降もサポートをご希望の場合は、有償にてお受け致します。

開発元

株式会社ダイナコム
千葉県千葉市美浜区中瀬2-6-1
WBG マリブイースト25階
Tel : 043-213-8131
Fax : 043-213-8132