ダイナコム 高速でハプロタイプ推定 ソフト開発 病因遺伝子特定に道

日刊工業新聞より

ダイナコム 高速でハプロタイプ推定 ソフト開発 病因遺伝子特定に道

【千葉】ダイナコム(千葉県茂原市、藤宮仁社長、0475・25・8282)は、遺伝子のわずかな差である一塩基多型(SNP)の組み合わせ「ハプロタイプ」推定を高速で処理し、より病気との関係を高精度で評価するソフトを開発した。東京大学医科学研究所の井ノ上逸朗客員助教授がSNPのデータ収集、解析・評価で協力した。1セット60万円で15日に発売する。今夏に米国での販売も計画しており、初年度100セットの販売を目指す。

開発したソフト「スニップアライズV3.0」は、「パーミューテーションテスト法(並べ替え検定法)」と呼ばれるコンピューター解析手法を採用したのが特徴。月内には解析可能な検体数を拡張した「スニップアライズ・プロ」も発売する。価格は1セット150万円。

V3.0は、病気にかかった人と健康な人のSNPを数千回から数万回ランダムに並び替え、起こりうるハプロタイプと病気との関係の強さの分布をコンピューター上で再現する。さらに並び替える前の両者のSNPが仮想実現した全体の分布の中で、どの位置にあるかを見ることで病気との関係の強さを評価する。

これまでも病気の原因となるSNPを特定する研究が行われてきたが、正確に関連を求めるため複数のSNPを結びつけたハプロタイプを活用する方が良いと言われていた。だが、大量のデータ処理に時間がかかることが課題となっていた。

ダイナコムは02年9月にハプロタイプ推定を従来品の1000倍に高速化したソフト「V2.1」を投入。新ソフトのV3.0はSNPの数にもよるが、数分でハプロタイプ推定から並べ替え検定まで可能となった。