日刊工業新聞より
「がんとの関連性解析ソフト開発」 ダイナコム
遺伝子のわずかな差を活用 – 2500サンプル対応
住商子会社通じ発売【千葉】ダイナコム(千葉県茂原市八千代2の4の11、藤宮仁社長、0475・25・8282)は、遺伝子のわずかな差である「一塩基変異多型(SNPs)」情報を活用、病気との関連性を調べるための解析ソフト「SNPAlyze(スニップアライズ)」を開発した。
最大2500サンプルのSNPs解析に対応できる。住友商事子会社の住商バイオサイエンスを通じて年内にも発売。価格を40万円~50万円程度に抑えることで、来春までに大学などの研究機関や医療機関、製薬会社などを中心に50本の販売を目指す。
がんや白血病などの病気にかかった人と、健康な人のSNPsを比べ、病気との因果関係を調べることができる。サンプルごとに(1)通常のデオキシリボ核酸(DNA) (2)父母のどちらから遺伝している染色体上にSNPsがある場合 (3)両親ともSNPsを受け継いでいる場合 – ことを番号で表示するとともに、同じ画面上で疾患データとも比較できる仕組み。
今回の解析ソフトには、工業分野の数値解析に使われる情報量基準「AIC」を採用した。 それまで一般的だった解析方法と異なり、特定のSNPsが発現することで「病気にかかっている可能性」がより明確に分析できるという。
遺伝子の差を利用する「テーラーメード治療」の基礎技術としての普及を期待している。 ダイナコムとの共同研究者である東京大学医科学研究所の井ノ上逸朗助教授が5日の学会で紹介する。