頑張れ!VB (No.75) ダイナコム

2004/03/12

日刊工業新聞より

頑張れ!VB (No.75) ダイナコム
プロジェクトに積極参加 / 医療機関とバイオ製品づくり

ダイナコムはバイオ関連システムの開発や、遺伝子関連のデータ処理などを手がけるバイオベンチャー。ネット上でバイオ関連情報を提供する「BIOWEB」も運営し、無料で新製品や各種学会情報、学会誌の目次一覧などの情報を幅広く提供している。

藤宮仁社長は、もともと人工衛星など特殊環境下で使われるメモリーの研究者だった。87年に勤務先企業の関連会社がバイオ分野に進出する話を聞き、まだ未開拓だったバイオの世界に魅力を感じて関連会社への出向を自ら志願、バイオの研究者に転身した。

世界初の蛍光読み取り方式のアナライザー「FMBIO」を開発するなどの実績を残したが、94年に元の会社へ戻るよう指示された。しかし「バイオの魅力に完全にとりつかれてしまっていた」(藤宮社長)ため独立を決意、95年にダイナコムを設立した。

設立当初はデータベース入力作業の受託を中心に手がけた。これは顧客となる大学の研究室などとコネクションをつくるため。2年ほどで信用を築くと、顧客自らが抱えている問題を相談してくれるようになった。それを解消するという観点から独自の製品づくりが始まった。

最初の自社製品が、96年に開発した遺伝子解析データの処理作業を自動化、高速化するためのサーバ「ダイナクラスト」。これは半官半民の研究機関であるへリックス研究所で採用された。

これで軌道に乗った同社は、統合型オリゴDNA設計システム「プローブクエスト」や、一塩基多型の組み合わせパターンの推定を高速処理する「スニップアライズ」を次々に開発した。

設立当初は自力開発にこだわり、国のプロジェクトには参加しなかった同社だが、現在は積極的に参加している。その背景には助成金が出るようになったことと、医療機関と組んで開発しないと臨床データが得られないという2点がある。

現在は東京大学、千葉大学、理化学研究所と共同で、易罹患性予測システムを開発中。開発期間は03年9月からの5年間、総研究費4億円を超える大型プロジェクトで、「これまでに蓄積してきた技術をフル活用する」(同)と意欲を燃やしている。

▽所在地=千葉県茂原市、0475・25・8282
▽社長=藤宮仁氏
▽設立=95年1月
▽資本金=5000万円