ケースコントロール研究
Case (疾患)群とControl (対照)群で比較を行うことにより、Case群とControl群の間で、ある要因についての関係に差があるかないかを判別する方法です。
例えば最初に患者群と対照群を選び、“過去に遡って”、食習慣、喫煙、飲酒、職業などの要因を調べ、どのような点で患者群と対照群との間で差が見られるかという点に着目して、原因や危険因子を究明します。その研究方針から「後ろ向き研究」(Retrospective study)とも呼ばれることもあります。
〔例1〕
疾患Xに対するSNP1の関係(対立遺伝子による比較)ある疾患Xを患っている患者群(case群)と健常者(control群)をそれぞれ、SNP1を持つグループと持たないグループに分け、以下の表を得ました。
患者群 健常者群 合計 SNP1(+) 38 34 72 SNP1(-) 24 46 70 合計 62 80 142 このデータに対してχ2検定を行うと、
χ2値=4.9341, p-value=0.0263318
となるので、疾患XとSNP1の対立遺伝子には関連がある、ということがわかります。
〔例2〕
疾患Xに対するSNP1の関係(遺伝子型による比較)ある疾患Xを患っている患者群(case群)と健常者(control群)をそれぞれ、SNP1の形成する3つの遺伝子型に分けて以下の表を得ました。
患者群 健常者群 合計 SNP1(+)homo[+/+] 38 36 74 SNP1 hetero[+/-] 29 39 68 SNP1(-)homo[-/-] 15 45 61 合計 83 120 203 このデータに対してχ2検定を行うと、
χ2値=8.8209, p-value=0.011902
となるので、やはり疾患XとSNP1の遺伝子型には関連がある、ということがわかります。
このようにケースコントロール研究では対立遺伝子についてと、遺伝子型について、の2通りの評価を行うことも出来ます。